突然だが,
オレの趣味は2つある。
1つは,仕事帰りに
近所のスーパーに立ち寄り,
売れ残った食材たちと
「今日もお疲れ」
と心で会話をすることだ。
少しくたびれた食材に
自分の姿を重ねあわせ,
全ての食材とはいかぬまでも,
その中から
「お前らはまだ,そこで終わるやつらじゃない」
と,まるで自分に言い聞かせるように買って帰る。
明日もまた,オレは頑張れる。
くたびれても,まだ役立てるはず。
そんな風に,オレ自身を
前向きにさせてくれる趣味だと思っている。
もう1つは,ポイ活だ。
ただのポイント収集活動ではない。
1つ目の趣味に登場する近所のスーパーの
ポイ活に,オレは人生をかけている。
そのスーパーのポイントは,
オレの中では
ポイントであって,ポイントではない。
同志(売れ残った食材たち)に出会い,
明日の活力になってもらった歴史。
そう,オレの中では,
これだけ多くの同志と共に歩んできたという
歴史そのものなのだ。
毎回,
レシートに印字される歴史(ポイント)が
増えていく。
まるで,年号が進むにつれて,
多くの出来事が刻まれ続ける
本当の歴史のように,
オレの中では,ポイントが増えるとは,
そういうことなのだ。
昨夜,22時近く。
スーパーに立ち寄り,
いつものように同志たちをカゴに入れ
レジへ。
レジにポイントカードを置き,
支払いをしようとした
まさにその瞬間!!!
自動ドアが開くと同時に,
店内に神風(突風)が流れ込んだ。
まるで,天女のように舞い上がる
オレの宝物(ポイントカード)。
神風にのった宝物は,
動かすことのできない棚の下
わずか2~3mmほどのスキマの中へ
一点の迷いも無く,真っ直ぐに。
見ていた店員さんも
「おお!」
と,つい声を張り上げたほどのあざやかさ。
まさに,この世の奇跡を目にした瞬間だった。
やはり,奇跡は起きる。
そう確信した瞬間だった。
この奇跡を体験し,
伝えなければと思ったことは2つ。
1つは,奇跡は起きるということ。
神風のような突風は,
人生のどのタイミングで吹くのかはわからない。
いつ吹いてもいいように,
キミは準備をしておかなければならない。
もう1つは,オレのポイントカードは,
動かすことのない棚の下で,
オレの最も愛するスーパーで,
同志と共同生活することになったということ。
住居費用(再発行)に200円かかったが,
喜びの方が勝っていることは言うまでもない。
うらやましいぞ,ポイントカードよ。
ちなみに,
今までのポイントは1週間ほどで
新しいカードに加算されるらしい。
つまり,歴史は終わらない。
これからも続く。
そういうことだ。
ちなみに,
キミの歴史も終わらない。
キミの夜明けは近いぜよ。
そういうことだ。
では,また。