2020年8月2日日曜日

早稲田大学 理工系学部の問題。

早稲田大学の理工系学部(英語)の問題では,
毎年のように,論理的思考力を見る問題が出題される。
日本語で書くが,今年の問題はこんな感じだった。
(問題は,以下のような内容を理解してから解く感じ)

(A)すべてのネコは哺乳類だ。
   シロナガスクジラは哺乳類だ。
   よって,シロナガスクジラはネコだ。

(B)すべてのトリは飛ぶ。
   ペンギンはトリだ。
   よって,ペンギンは飛ぶ。

これらの(A)(B)は2文とも事実と異なるため,
「真」ではない。

しかし,論理的妥当性という視点では,
Aは論理的に妥当ではなく,
Bは論理的に妥当である。

論理的妥当性は,
推論に矛盾がないことが重要で,
結論が真である必要はない。

簡単に言うと,
世の中の事実と異なっていても,
論理に矛盾がなければ,
「論理的に妥当(正解)」となる。

さて,では,あらためて解説しよう。

(A)すべてのネコ(ア)は哺乳類(イ)だ。
   シロナガスクジラ(ウ)は哺乳類(イ)だ。
   よって,シロナガスクジラ(ウ)はネコ(ア)だ。

(A)アはイだ。
   ウはイだ。
   よって,ウはアだ。

こういう推論は,論理的に妥当とはいわない。
すなわち,「いやいや,言ってることおかしいですよ」となる。

慎先生は男だ。大岩も男だ。
よって,大岩は慎先生だ。
って,なったら,
「ハァ????このお方は何を言っちゃってんのかしら?
 今すぐ泣いて慎先生にお詫びしなさい!メッ!」
になるでしょ。そういう,はちゃめちゃなのが(A)。

では,次は(B)。

(B)すべてのトリ(ア)は飛ぶ(イ)。
   ペンギン(ウ)はトリ(ア)だ。(つまり,ウ=ア)
   よって,ペンギン(ウ[ア])は飛ぶ(イ)。

(B)アはイだ。
   ウはイだ。(つまり,ウ=ア)
   よって,ウ[ア]はイだ。

このように,出発点と結論が同じ内容になる推論は,
論理的に妥当とされ,
事実と異なる場合でも,
「うん,言っていること矛盾はない」となる。


(A)悪いのはコ○ナだ。
   あの人はコ○ナだ。
   よって,あの人は悪い。

(B)感染症は最善をつくしても感染することがある。
   コ○ナは感染症だ。
   よって,コ○ナは最善をつくしても感染することがある。


(A)の考えの人が早稲田の理工系目指したら
合格は難しいかもしれませんね。


明日は我が身。

他者への心ない誹謗中傷が
明日は我が身に何倍にもなって
特大ブーメランが返ってこないことを祈りつつ,
ニュースを見る日々。