早稲田大学の理工系学部(英語)の問題では,
毎年のように,論理的思考力を見る問題が出題される。
日本語で書くが,今年の問題はこんな感じだった。
(問題は,以下のような内容を理解してから解く感じ)
(A)すべてのネコは哺乳類だ。
シロナガスクジラは哺乳類だ。
よって,シロナガスクジラはネコだ。
(B)すべてのトリは飛ぶ。
ペンギンはトリだ。
よって,ペンギンは飛ぶ。
これらの(A)(B)は2文とも事実と異なるため,
「真」ではない。
しかし,論理的妥当性という視点では,
Aは論理的に妥当ではなく,
Bは論理的に妥当である。
論理的妥当性は,
推論に矛盾がないことが重要で,
結論が真である必要はない。
簡単に言うと,
世の中の事実と異なっていても,
論理に矛盾がなければ,
「論理的に妥当(正解)」となる。
さて,では,あらためて解説しよう。
(A)すべてのネコ(ア)は哺乳類(イ)だ。
シロナガスクジラ(ウ)は哺乳類(イ)だ。
よって,シロナガスクジラ(ウ)はネコ(ア)だ。
(A)アはイだ。
ウはイだ。
よって,ウはアだ。
こういう推論は,論理的に妥当とはいわない。
すなわち,「いやいや,言ってることおかしいですよ」となる。
慎先生は男だ。大岩も男だ。
よって,大岩は慎先生だ。
って,なったら,
「ハァ????このお方は何を言っちゃってんのかしら?
今すぐ泣いて慎先生にお詫びしなさい!メッ!」
になるでしょ。そういう,はちゃめちゃなのが(A)。
では,次は(B)。
(B)すべてのトリ(ア)は飛ぶ(イ)。
ペンギン(ウ)はトリ(ア)だ。(つまり,ウ=ア)
よって,ペンギン(ウ[ア])は飛ぶ(イ)。
(B)アはイだ。
ウはイだ。(つまり,ウ=ア)
よって,ウ[ア]はイだ。
このように,出発点と結論が同じ内容になる推論は,
論理的に妥当とされ,
事実と異なる場合でも,
「うん,言っていること矛盾はない」となる。
(A)悪いのはコ○ナだ。
あの人はコ○ナだ。
よって,あの人は悪い。
(B)感染症は最善をつくしても感染することがある。
コ○ナは感染症だ。
よって,コ○ナは最善をつくしても感染することがある。
(A)の考えの人が早稲田の理工系目指したら
合格は難しいかもしれませんね。
明日は我が身。
他者への心ない誹謗中傷が
明日は我が身に何倍にもなって
特大ブーメランが返ってこないことを祈りつつ,
ニュースを見る日々。