以前,
Can you speak English?
という表現を日記の中で使ったところ,
「Do you speak English?」ではないか。
というご指摘をいただいた。
より平均的(?)な表現はDoの方なので,
ご指摘にはただただ感謝し,日記を訂正させていただいた。
そこで,本当はその後すぐにこの内容を
日記に書きたかったのだが,
公私共に時間がなく,今になってしまった・・・。
というわけで,今回はちょっと真面目なお話。
※ただし,あくまでも「私の考えの1つ」であることを強調してきます。
※考え方は多様であるべきなので,私がこれから書く内容に反する
考えを持たれている方を批判しているわけでもありません。
この職業をしていると
「ネイティブは××と表現すると習いましたよ」
「××の方が,ネイティブの思想に合うと聞いたことがあります」
のように,表現に関するアドバイスをいただく機会が多い。
これは,「生涯が学習時間」をモットーとする私には
非常にありがたいご意見で,
すぐさま自分の脳に書き込むが,
その表現に直して次からは教えるかどうかは
しばらく調査の時間をとってからにしている。
その理由は,ある意味で
「ネイティブは・・・」
という言葉には注意が必要だからなのだ。
日本人の多くは
「ネイティブは××と考える・言う」
という日本語を聞くと,その訳を
「All native speakers of English」
の意味で解釈してしまうが,実際は
「Some native speakers of English」
なのだ。
第一言語として使用する人たちに限定して考えても,
英語は日本語よりも広い地域で使われている言語である。
そのことからも,「all regions」ではなく,
「some regions」であることは容易に想像が付くであろう。
※日本でも,場所が変われば方言で言葉が全然違うよね。
そこを無視して,「ネイティブ」という言葉を盲信するのは,
すごく恐いことなんだということを覚えておいて欲しい。
さて,話を戻そう。
Do you speak English?
と
Can you speak English?
は,どちらが正しいのか?
と聞かれれば,「両方が正しい」というのが答えである。
では,どちらが多く使われているか?
と聞かれれば,「Do you speak English?」の方である。
しかし,昨日,某所のエレベーター内で
突然話しかけてきたアメリカ人旅行者と仲良くなり,
5分程度の立ち話をしたとき
上記の違いを聞いてみたのだが,
彼は「同じだ。どちらも同じように使っている」と答えていた。
これが,ある意味,「言葉の正体」なのだ。
よっぽどの表現でない限り,
「これは正しい」「これは正しくない」というのは,
その人が生まれ育った環境によって
変わってしまうものなのだ。
結論として言いたかったことは,
我々は,より平均的な表現を
教えるための努力を続けるので,
みんなは,最初のうちは細かすぎる内容にとらわれずに
大きな骨組みをつくるような感覚で勉強して欲しいということだ。
・・・「適当でいいよ」と言っているわけではないので,
そこは勘違いしないようにお願いします。